ホームステイ受け入れ体験談|国際交流プログラムで学んだ家族の1週間

はじめに|ホームステイ受け入れを決めた理由

「ホームステイ受け入れって、特別な家族がするものだと思っていませんか?」
わたしもそう思っていましたが、地域の国際交流プログラムをきっかけに、初めて海外の大学生を1週間受け入れました。

そんな気持ちで始めたホームステイでしたが、家族全員にとって大きな学びと発見がありました。わたしたちの体験をこちらの記事で残していきます。今後、ホームステイの受け入れに挑戦してみたいという方に参考になればさいわいです。

国際交流プログラムの特徴|教育目的で運営される安心感

今回参加したのは、教育目的で運営されている国際交流プログラムです。
営利目的の留学エージェントとは異なり、地域との交流や相互理解を大切にしています。

プログラムの特徴

  • 海外からの参加者は学生中心で、教育・文化交流が目的
  • 学校訪問や地域イベント参加など、観光だけではないスケジュール
  • ホームステイは地域住民との交流の一環として位置付けられている

このような特徴があるため、初めての受け入れでも安心して参加できました。

ホームステイ受け入れ時のマッチングで配慮したこと

事前に共有したポイント

  • 家族構成や家の状況
    小さな子どもがいることや生活スタイルを伝えました。
  • ペットの有無
    わが家には猫が2匹いるため、アレルギーはないか、動物好きかどうかを確認しました。
  • 食事やアレルギーの有無
    食文化が異なるので、苦手な食材やアレルギーの情報を事前に交換しました。
  • 日本語と英語のレベル
    日本語がどの程度話せるのかということを事前に教えてもらいました。

こうした情報をもとにマッチングをしていただきました。

家族の理解と協力|子どもも大活躍!

ホームステイを成功させるには、家族の協力が不可欠です。今回、わが家に来てくれたスウェーデン出身の大学生の女の子は日本語はオンラインで授業を受講しているものの、話せるレベルではありませんでした。会話は家族全員英語を使うことになりました。

  • 子どもの役割
    6歳の娘にはホームステイに来てくれる大学生の女の子に会えるのをわが家にくる以前から楽しみにしていて、初めましてのマッチングイベントのときから、英語で自己紹介をし、膝に抱っこしてもらったりして打ち解けていました。子どもが好きな大学生だったので、とても受け入れがよかったです。家の中の紹介や猫の自己紹介などは娘がおこなってくれました。
  • 夫のサポート
    仕事でも英語を使う機会のある夫ですが、自宅で英語を話す機会はオンライン英会話のレッスンを受講しているときのみでした。ホームステイの受け入れについては理解を示してくれ、期間中は帰宅をすこし早めてくれて家族全員で朝食・夕食が摂れるように配慮してくれていました。また、ホームステイの期間中は出張などの予定を入れないようにもしてくれていました。

ホームステイ中の過ごし方|1週間の過ごし方

①送迎のサポートとスケジュール調整

ホストファミリーデーと観光の同行の計3回以外の4日間は、わたしが集合場所への送迎をしました。娘の児童クラブのお迎えも並行しておこないました。なるべくお互いに負担にならないようにこの期間は、代休で1時間程度早く診療を切り上げて行動していました。また、娘の習い事もこの期間は予約を入れないようにしていました。

毎回、次の日の予定の確認を大学生の女の子と打ち合わせしていきました。起床時間や行動の予定をこちらからもお伝えすることで、家事も娘の小学校への送り出しも負担なくおこなえました。洗濯やお風呂の時間をどうするか、などの段取りもスムースにおこなえました。結果、わたしたち家族もふだんと変わりない生活をしながら、一緒に過ごすことができました。

②お料理や片付けを一緒に

わたしが「スウェーデンパンケーキを作ってみたいので、一緒に作りませんか?」と誘ったところ、快く一緒に作ってくれました。娘も一緒に参加して、分量を計測し、材料を混ぜ、協力して作りました。夕食後の後片付けも、大学生の女の子のほうから申し出があり、娘と大学生の女の子は一緒に洗い物をしてくれました。

③観光やイベントへの参加

観光では自宅近くのお寺の蓮の花を見に出かけました。ちょうど蓮が見頃な時期でした。普段は中に入ることのできない三重塔を見ることができたり、お寺と蓮の花とというすばらしい光景を一緒に見ることができました。

イベントへの参加は、わたしが主催している認知症カフェのイベントに参加しました。わたしたちの住んでいるエリアでは8月が七夕のイベントで、その時期に合わせた「七夕イベント」を認知症カフェでおこないました。

認知症カフェに参加されている認知症の方やご家族、ボランティア、運営スタッフとも交流できたらいいなと思い、大学生の女の子の国であるスウェーデンについてどんなイメージを持っていますか? という話をしながら、彼女の国について紹介していく時間を設けました。

スライドを使ってお互いに会話が起こるように工夫しました

また、七夕については「織姫と彦星の物語」をバイリンガルバージョンにしてお話ししました。アクティビティでは、七夕飾り作成をしました。日本の伝統的な折り紙や七夕の飾りを作ることでお互いに交流を深めることができました。短冊に願い事も書き、一緒に飾り、写真撮影もしました。とても良い思い出となりました。

バイリンガルバージョンの「織姫と彦星」の絵本を作りました

また、手持ち花火も自宅で楽しみました。こういった文化はスウェーデンにはなかったようで、めずらしがっていました。夜空を見上げるとちょうど北斗七星が見えるよ、と大学生の女の子が教えてくれました。とても思い出に残る夜となりました。

④おうちでリラックスタイム

夕食後は、お互いの国の音楽や文化を教え合ったりもしました。また、すごろくゲームも一緒におこないました。日本語のひらがなで書かれているすごろくゲームでしたが、ひとつひとつ日本語でも読みながら、意味を英語でも伝えました。日本語を読めるけど、意味がわからない状態からスタートした大学生の女の子でしたが、コツをすぐにつかみ、ゲームを楽しんでくれました。

⑤特別な思い出

ホームステイ最後の夜にプレゼント交換とお手紙を渡しました。大学生の女の子からは彼女の国のおしゃれな手土産をいただきました。わたしたちからは娘が書いたお手紙、一緒に撮った写真、日本製のコスメ(新作のアイシャドーとリップクリーム)をプレゼントしました。日本では母と娘でコスメをシェアするのが流行っているのだという話題もし、わたし自身も同じ商品を使うことでシェアコスメだよ、という意味をお伝えしました。出発の日、さっそくコスメを試してくれていて嬉しかったです。

どんな食事を準備した?|日本らしさと食べやすさの工夫

ホームステイ中の食事は、日本らしさを感じてもらいつつ、食べやすさにも配慮しました。

  • 献立
    肉じゃが、味噌汁、ほうれん草の胡麻和えなど、定番の家庭的な和食と、煮込みハンバーグや鶏肉のバロティーヌ、夏野菜のカレーライスなど洋食と、バランスをとりながら献立を考えました。
  • 特別な日の献立例
    外食では、大学生の女の子が好きなお寿司を食べにレストランを予約して出かけました。
  • 気に入ってくれた献立
    「お味噌汁が大好き」と言うことで、和食の日は必ずお味噌汁をつけました。わかめや豆腐などの定番のものもほか、ほうれん草・にんじん・お麩の組み合わせや、アサリのお味噌汁などもお出ししました。スイーツにスイカやシャインマスカットなどもお出ししました。地場産で、季節のおいしいスイーツはとても喜ばれました。また、牛肉としめじの混ぜご飯もとても喜んで食べてくれましたね。これまで食べたことのないものでも、おいしく食べてくれていたので嬉しかったです。

よかったこと|ホームステイ受け入れで得た学び

  • 子どもが積極的になった
    もともとマンツーマンで国籍の違う先生とも過ごす機会があるし、小学校のALTの先生にもフレンドリーに挨拶をしに行くくらいの娘です。肌の色や言葉が違えども、積極的に関わろうという姿勢がホームステイ期間中にもよくみられました。一緒に過ごす時間がとても貴重と感じていたようでした。
  • 異文化交流が身近に感じられた
    完璧な英語でなくても、英語が伝わる喜びを感じました。英語で伝えようとする気持ちは大学生の女の子にも娘にもしっかり伝わったようです。個人的には、家具などのインテリアの好み、音楽の好み、SNSとの付き合い方、ファッション、メイクのトレンド、仕事などさまざまな話題についてお話しできたのが嬉しかったです。より異文化交流が身近に感じられましたし、さまざまな学びがありました。

反省点|次回に活かしたいこと

AIの発達で確かに翻訳機を返せば、正確にコミュニケーションができるご時世ではありますが、もうすこしコミュニケーションを本質的に楽しめたら、という欲が出てきました。

ホームステイ期間中、翻訳を介してコミュニケーションをとったのは単語がわからないなどの理由以外ほぼなかったです。でも、実際は日本語ならばもっと柔軟に話が膨らませられるのに、と思うことがしばしばありました。それができないもどかしさ。英語がもっとできたら、それも実現するのだろうなと感じたのです。次回に生かしたいこと、それは「英語力UPを家族みんなで」ですね。

まとめ|ホームステイ受け入れは家族の宝物になる体験

今回のホームステイ受け入れは、家族にとって忘れられない1週間でした。娘にとっても、異文化に触れる大きなチャンスになったと感じます。

国際交流は特別な人だけのものではなく、家族の温かい時間の延長にあるものです。もし機会があれば、ぜひ挑戦してみてください。きっと新しい発見があるはずです。