手にとって親子で読みたいクリスマスの英語絵本
前回に引き続き、今回も手にとって親子で読みたいクリスマスの英語絵本を紹介していきます。紹介するのは、『Pick a Pine Tree』という絵本です。
『Pick a Pine Tree』は、パトリシア・トゥース(Patricia Toht)作、ジャーヴィス(Jarvis)イラストによる、クリスマスシーズンを祝う心温まる絵本です。タイトル通り、クリスマスツリーの選び方から始まり、その装飾、家族との共有、最終的な祝いのシーンに至るまで、クリスマスの準備を描いています。読者に、家族と過ごす特別な時間の大切さを教えてくれる素晴らしい作品です。
ストーリーとテーマ
『Pick a Pine Tree』の物語は、クリスマスツリーを選び、飾り付け、そしてそれを囲んで過ごす楽しさを描いています。最初に主人公は、お気に入りの松の木を選び、ツリーとして家に持ち帰るシーンから始まります。次に、ツリーに飾り付けをする過程が描かれ、ツリーが徐々にクリスマスの輝きを帯びていきます。家族が一緒に集まり、飾りを付け、歌を歌ったりお菓子を作ったりするシーンは、読者に温かい気持ちを届けます。
物語は、クリスマスの準備に関わる楽しさ、協力、そして家族の絆を大切にしており、読者は自然とクリスマスの魔法と感謝の気持ちを感じることができます。この本は、物理的なツリーを選ぶことだけでなく、家族や友人との絆を育む時間の大切さにも焦点を当てています。
柔らかなイラストがとても魅力的
ジャーヴィスのイラストは、非常に温かみがあり、クリスマスの雰囲気を完璧に捉えています。彼の特徴的なイラストスタイルは、柔らかな色使いとシンプルで親しみやすいキャラクターたちが特徴です。人物や動物たちの表情は豊かで、物語に感情を込め、読者をより深く引き込んでいきます。
特に印象的なのは、クリスマスツリーの飾り付けや家族が集まるシーンです。このページはPop-upになっていて、立体的な作りになっています。雪が降る冬の景色、キラキラと輝く飾り付け、家族が共に過ごす暖かな部屋の描写が、読者にほっこりとした感覚をもたらします。ジャーヴィスの色使いは鮮やかでありながらも、どこか柔らかな印象を与え、クリスマスの楽しさと温かさを視覚的に伝えています。
リズム感のある文体が特徴的
パトリシア・トゥースの文体は非常にリズム感があり、楽しい読み聞かせの体験を提供してくれます。繰り返しのフレーズや歌のような調子が、物語をさらに魅力的にし、子どもたちが声に出して読むのを楽しめるようになっています。文章はシンプルで理解しやすく、幼い子どもたちでも共感しやすい内容です。
例えば、「Pick a pine tree, tall and straight / Choose a perfect tree to decorate.」というフレーズは、リズムよく繰り返され、物語が進行する中で自然と身についていきます。こうした繰り返しの要素は、子どもたちにとって覚えやすく、物語の世界に入り込みやすくします。
また、トゥースの文体は温かみがあり、家族が一緒に過ごす時間の大切さを優しく伝えてくれます。クリスマスの準備がただの作業ではなく、家族全員で協力し、喜びを共有する大切な時間であることをしっかりと表現しています。
クリスマスの伝統を学べる
この絵本は、クリスマスの祝い方を楽しみながら学べる良い機会を提供してくれます。読者は、クリスマスツリーを選ぶというシンプルな作業を通じて、家族との協力や伝統を学ぶことができます。さらに、物語は感謝や温かい家族のつながりを強調し、子どもたちにクリスマスの精神を理解させる手助けをしてくれます。
加えて、この絵本は視覚的な要素も豊かで、子どもたちは絵を見ながら物語を追っていくことで、視覚的な記憶力やストーリーの理解を深めることができます。ツリーの飾りつけや家族の活動が細かく描かれており、子どもたちは物語の中で自分もその一部であるかのように感じられるでしょう。
まとめ
『Pick a Pine Tree』は、クリスマスの準備とその魔法を描いた心温まる絵本です。パトリシア・トゥースのリズミカルで温かい文体と、ジャーヴィスの優れたイラストが相まって、子どもたちにとって魅力的で感動的な読書体験を提供しています。クリスマスという特別な時期を、家族との協力や愛情の大切さを再確認する機会を与えてくれるこの絵本は、どんな家庭にもぴったりの一冊です。子どもたちにとって、クリスマスの意味やその楽しさを知る素晴らしい手助けとなるでしょう。
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